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「作業」と「仕事」
「作業」とは、事前に定められた手順のもとに、活動することです。一方、「仕事」とは、活動による結果や業績です。
すなわち、決められたことを間違いなく行うことは、「作業」であって、「仕事」とは言えません。そして、「仕事」は作業を行った結果、何か新たな価値を生み出すことです。
イソップ物語で「三人のレンガ職人」の話があります。その物語で、旅人は三人のレンガ職人に「何をしているのか?」と尋ねています。そして、その回答は、
一人目は、「見ての通り、レンガ積みをしている」
二人目は、「家族を養うために、レンガ積みをしている」
三人目は、「歴史に残る偉大な大聖堂を造るために、レンガ積みをしている」
三人とも「レンガ積みをしている」が、一人目は明らかに「作業」です。そして、二人目と三人目は「仕事」をしています。ただし、二人目より三人目の方が良い仕事をしています。三人の能力が同じであっても、三人目が作った建物が一番立派であることが想像できます。そして、立派な大聖堂ができたのは、設計者や現場監督ではなく、レンガ職人の成果と思います。どれだけ良い仕事するレンガ職人を沢山集められるかで、成果物が大きく異なります。
「作業効率を上げる」ことは、単に「作業」を行なったいるのでなく、「仕事」をしていると言えます。そして、「その作業の本質(ニーズなど)」を考えて、新たな価値を生む出すことが、良い仕事をしていると言えます。
ところで、「作業」と「仕事」を切り分ける人がいます。そのような人の中には、「作業」を見下したり、「作業」を拒む人がいます。「仕事」は「作業」の上に成り立っています。そして、「作業」なくして「仕事」はありえません。「作業で終わらず、仕事に結びつける」ことを考えながら作業や仕事をすることが大切です。
デジタル大辞泉
【作業】
仕事。また、仕事をすること。特に、一定の目的と計画のもとに、身体または知能を使ってする仕事。
【仕事】
1 何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。
2 生計を立てる手段として従事する事柄。職業。
3 したこと。行動の結果。業績。
4 悪事をしたり、たくらんだりすること。しわざ。所業。
5 《「針仕事」の略》縫い物。裁縫。
6 力学で、物体が外力の作用で移動したときの、移動方向への力の成分と移動距離との積。単位はエネルギーの単位ジュール、その他ワット秒・ワット時など。