株式会社ライモック

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食品衛生7委員会

食品衛生7Sの成功のカギ

 食品衛生7Sの成功のカギは、経営者自ら積極的に関与し、推進することが重要です。
 経営者の関与として、経営理念や品質方針に、”顧客志向に立った食品の安全・安心”に関する事項を明確にすることです。
 さらに、従業員に対して、食品衛生7Sの必要性を自らの言葉で訴えることです。一度でも食中毒を起こせば、経営危機に陥ることになります。ここで作られたものが自分の家族にも安心して提供できることが、重要であることを従業員に理解してもらうことが必要です。
 その上で、食品衛生7S委員会を立ち上げて、活動の推進を行います。
 食品衛生7S委員会は、基本的にPDCA(Plan, Do, Check, Action)を動かす、キーになるメンバーです。

 よって、委員長は役員等が担当し、メンバーは日常の業務を十分把握している各部門の代表者(中堅従業員)が参加することが大切です。また、メンバーの人数は、企業規模によりますが、5名〜10名程度が、意見が出しやすく、まとめやすいので適当です。
 さらに、この委員会の要として、事務局の設置が重要です。現場は日々の業務に追われがちです。そこで、経営者からの活動の方向性がぶれないようにコントロールする役割が必要になります。なお、事務局は、会議案内や議事録の作成、7S活動に関する情報発信など事務処理が伴います。
 また、年間を通じて7S活動を実行・貢献したグループを経営者が表彰することも、継続して7S活動を行う上で大切です。

 食品衛生7Sは、初めから難しいことに取組むのではなく、PDCAを回しながら、現実的に一歩一歩目標や理想に向かって進むことが大切です。
 例えば、”食品衛生7Sを始める” → ”整頓したい” → ”ロッカーが必要” → ”ロッカーを購入してほしい” → ”ロッカーを置く場所がない” → ”オフィスを広げてほしい” → ”オフィスは広げられない” → ”ヤメ” では、何も出来ません。
 創意工夫により、出来る範囲で作業環境を良くするよう整頓する。その中で、工夫に対して評価して、工夫を行うことの喜びを共有しながら、新たな工夫に取組む。結果として、計画以上の大きな成果を生み出すことがあります。
 なお、PDCAは、1サイクル1年程度が望ましいです。これは、経営者が定める経営目標とPDCAを連動させながら活動することで、経営者の方針と7S活動の方向性をぶれないようにさせることがでます。

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Plan

食品衛生7S委員会は、事前に各メンバーである各部代表者から現場で実際の作業内容などの意見を集め、実施可能なルールを定めます。
 初めに活動に関する基本的なルールを定めなければ、10人いれば10人の考え方や解釈で活動が進み、経営者の決めた方針からずれる恐れがあります。また、統一ルールを決めず部門間で異なったルールを使うと、部門間で思わぬ作業ミスが発生することもあり、決められたルールを守らなくなることがあります。
 そこで、手段である整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌の5つの”S”について、定義を明確にして、これを躾で周知・徹底し、清潔を維持して行かなければなりません。

 また、PDCAの2巡目(例えば、2年目)では、これまでの実施に基づいて、ルールを現場にあったルールやワンランク上のルールに改善していきます。

 最後に、PDCAの”P”は、サイクルの始めに位置します。従って、1年目にキックオフ大会を行い、経営者自ら7S活動の取り組みの方針を従業員に説明したり、2年目以降であれば、前年の活動における優秀部門を表彰するなど行うことが望まれます。これにより、何時から始まったのかが明確になり、2年目以降も心機一転新たな取組むが行いやすくなります。

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Do

 各部門は、食品衛生7S委員会が定めたルールに従い業務改善を行います。
 日々の業務に追われる現場に任せっきりであれば改善は進みません。そこで、食品衛生7S委員会が、”何時までに”、”誰が”、”何をする”を定めることを促しながら、改善活動が前に進むようにします。しかし、資源的理由(人・時間)で活動が着手・完了出来ない場合は、食品衛生7S委員会が率先してフォローすることも大切です。

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Check

 食品衛生7S委員会は、改善活動の実施状況及び清潔の維持状況について、現場の巡回点検(パトロール)を行います。

①原則として、現場の責任者とともに巡回を行い、随時説明を受けながら、実施状況の確認を行います。
②食品衛生7Sに逸脱していることが確認されれば、それを解決するルールが定められているか確認を行います。
③ルールが定められているのに、それが守られていない場合、”ルールを知っていて、守っていないのか?”、”ルールは知っているが、守りにくいのか?”、”ルールを知らなかったのか?”の原因を把握します。

 また、パトロールに際して、デジタルカメラで逸脱事項を現場で撮影することによって、”問題の見える化”に役立ち、改善が行いやすくなります。
 さらに、改善後も撮影することによって、改善効果の確認が行え、今後の活動の水平展開に多いに役立ちます。

 なお、パトロールは、あら探しではありません。お互いに活動の成果を確認し合うためのものであることを十分に認識することが大切です。

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Action

 食品衛生7S委員会のパトロールで逸脱を発見した場合、その内容を分析するとともに、再発防止の提案を行う必要があります。
 
①”ルールを知っているが、守らない”や”ルールを知らない”場合は、教育の実施の指示や教育方法の変更などを指示します。
②”ルールは知っているが、守りにくい”や”ルールがない”場合は、ルールの設定や改定を指示します。

 指示においては、”何時までに”、”誰が”、”何を行う”かを明確にする必要があります。
 さらに、改善指示においては、いきなり実行が難しい改善計画を立案しても途中で止まってしまい意味がありません。企業や個人の能力を考慮して無理のない確実な方法をとることが大切です。

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