株式会社ライモック

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食中毒の発生状況

 食品関連業者は、食中毒事件を起こさなよう、衛生管理の徹底に留意しましょう。特に、”いつも通り”ではなく、”ルール通り”の意識が大切です。”いつも通り”は、時間の経過や人によって、少しずつ変化します。今一度、ルール(手順)を見て、”ルール通り”に作業を行うようにしましよう。

 食中毒発生状況において、事件数及び患者数ともに上位になるカンピロバクター・ジェジュニ/コリは、ほとんどが鶏卵肉の加熱不足が原因になっているので、食品の中心温度が75度1分以上の加熱が重要です。また、ノロウイルスによる食中毒は、約80%が調理従事者が原因になっているので、調理従事者の健康管理と食品取扱者からの汚染防止が重要です。

年次別食中毒発生状況

 年別の食中毒の事件数の推移は、2010年まで食中毒の発生は減少し、その後横ばいの傾向になっています。前年に比べると、事件数は62件減(1140件)、患者数は2,465人減(2万253人)になっています。なお、1990年以前は、1事件あたりの患者数が40名前後であったが、近年では20名前後となっており、少数例でも保健所に報告される傾向があります。
 原因物質では、腸炎ビブリオ、カンピロバクター・ジェジュニ/コリ、その他の病原大腸菌が大幅に発生数を減少させています。一方、ウイルス(主にノロウイルス)の発生数が増加しています。
 2016年度の患者数が多かった食中毒は、飲食店(東京)で609人(カンピロバクター・ジェジュニ/コリ)、旅館(京都)で579人(ノロウイルス)、事業所 - 給食施設(静岡)で415人(ノロウイルス)となっています。


原因物質別食中毒発生状況

 月別の食中毒患者の推移は、冬はウイルス(ほとんどがノロウイルス)、梅雨から秋は細菌による食中毒の季節となっています。
 患者数が多かった食中毒は、ノロウイルス11,426人であり、1事件あたりの患者数は、細菌に比べて約2倍になっています。
 なお、死者が発生した事件は、細菌-腸管出血性大腸菌(VT産生)が3事件10人、植物性自然毒(スイセン、イヌサフラン、トリカブト)が4事件4人となっていました。


細菌別食中毒発生状況

 細菌別の食中毒患者比率は、カンピロバクター・ジェジュニ/コリが44%、ウェルシュ菌が19%、サルモネラ属菌が9%の順で多く発生しています。



施設別食中毒発生状況

 施設別の食中毒発生状況は、飲食店(11,135人)が圧倒的に多く発生しています。次いで、旅館(2,750人)、事業所 - 老人ホームなど(2,002人)が多くなっています。この上位施設で食中毒患者の78%を占めています。
 なお、1事件あたりの患者数が多いのは、病院(68人/事件)、旅館(55人/事件)、学校(45人/事件)の順となっています。