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フェルミ推定

 フェルミ推定(Fermi estimate)とは、実際に調査するのが難しいような数値を、いくつかの手掛かりを元に仮説をたて、論理的に推論し、短時間で概算することを目指すものです。名前の由来は、1938年のノーベル物理学賞を受賞したエンリコ・フェルミが、このような概算を得意としていたことによります。

 フェルミ推定で有名なものに、フェルミ自身がシカゴ大学の学生に対して出題したとされている「アメリカのシカゴには何人のピアノの調律師がいるか?」があります。
 例えば、この問題に対して、次のように概算することができます。
【仮定】
 まず以下のデータを仮定します。
1) シカゴの人口は300万人とする
2) シカゴでは、1世帯あたりの人数が平均3人程度とする
3) 10世帯に1台の割合でピアノを保有している世帯があるとする
4) ピアノ1台の調律は平均して1年に1回行うとする
5) 調律師が1日に調律するピアノの台数は3つとする
6) 週休二日とし、調律師は年間に約250日働くとする
【推定】
 そして、これらの仮定を元に次のように推論します。
1) シカゴの世帯数は、
  300万人÷3人/世帯=100万世帯程度
2) シカゴでのピアノの総数は、
  100万世帯÷10世帯/台=10万台程度
3) ピアノの調律は、年間に10万件程度行われる
  それに対し、(1人の)ピアノの調律師は1年間に
  250日×3台=750台程度を調律する
4) よって、調律師の人数は、
  10万件/750台=130人程度と推定される

 ビジネスでは、新たな事業計画や製品開発において、費用対効果を確認する経済評価は重要です。市場性や販売計画において、都合よく全ての情報があるわけでありません。場合によっては、フェルミ推定を活用して、不明なデータは仮説を立てて、市場性などを論理的に推論することが必要になります。なお、自分にとって、都合の良い仮説(こうだったらいいのに・・・)という条件が1つでも入れば、推論が大きく影響すので、注意を要します