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情報の非対称性

 情報の非対称性は、市場取引において、「売り手」と「買い手」の持っている情報に差があることです。即ち「売り手」のみが有している専門知識と情報と、それを知らない「買い手」の間で、双方で情報と知識の共有ができていない状態を示します。情報の非対称性があるとき、一般に市場の失敗が生じます。なお、必ずしも情報を持たない側に不利益が生じるわけではなく、情報を持つ側に不利益が生じることもあります。

 例えば、中古車販売において、「売り手」のみが欠点を知り、「買い手」は欠点を知ることが難しいものです。良質の中古車であっても他の中古車と同様に低い平均価値をつけられ、良質な中古車はお店に流通しなくなる傾向があります。また、「買い手」は価値の低い中古車を、高い価格で買ってしまう恐れもあります。逆に、「買い手」が購入に対して慎重になると、中古車が売れなくなる可能性が出てきます。

※ 情報の非対称性を最初に指摘したのは、アメリカの理論経済学者ケネス・アローです。アローは1963年に医者と患者との間にある情報の非対称性が、医療保険の効率的運用を阻害するという現象を指摘した論文を発表しました。

※情報の非対称性という用語は、アメリカの理論経済学者ジョージ・アカロフが1970年に発表した論文の中で初めて登場しました。