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AAR

 AAR(After Action Review)は、作戦の失敗からいち早く立ち直るためアメリカ陸軍が開発した「行動後の検証プログラム」です。これは、司令部から末端の現場に至るまで、行動後必ず実施することが定められている重要項目で、ミッション終了後、メンバーは即座に招集されます。
 AARは、ファシリテーターの存在と、シンプルな4つの質問およびフィードバック・LLSから成立ちます。

【ファシリテーターの役割】
 AARをより有効的なものにするために大切なのは、会議の進行を促進する“ファシリテーター”。その役割は大きく3つあります。
(1) 第三者として会議の進行に徹する。そのため利害関係のない人が担当。
(2) メンバーみんなの参加を促す。みんなの意見を公平に尊重することで、参加者の主体性を引き出す。
(3) 責任を追求したり、逆に評価したりしない。失敗から学び、よりよい行動へとつなげるのが目的。犯人探しはしません。

【4つの質問】
(1) 我々は何をやろうとしたのか?
 作戦の内容・目的を振り返り、共通認識します。
(2) 実際には、何が起きたのか?
 証言・記録を多角的に検証。事実判定のみ行います。
(3) なぜそうなったのか?
 責任追及せず、原因究明に集中。地位にとらわれず平等に発言します。
(4) 次回なすべきことは何か?
 失敗の原因を理解した上で、あくまでも自分たちができる範囲での対策を導き出します。

【フィードバック】
 「問題点の改善要領」「規定等の改正・制定の要否」「将来の訓練計画へ反映させるべき助言」を上長に提出する。

【LLS】
 教訓事項をLLS(Lessons Learned System:教訓等のデータベース)に蓄積する

 同じ失敗を繰り返さないことを大きな目標としているAARを、教育訓練後の反省会に取り入れてみることも有効な活用方法です。