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ニーズ/ウォンツ/シーズ

 「ニーズ(needs)」と「ウォンツ(wants)」とは、現代マーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラーが、マーケティングの本質を定義するなかで言及したこと考え方です。
 “Marketing is a human activity directed at satisfying needs and wants through exchange process.(マーケティングとは、交換プロセスを通してニーズとウォンツを充足させようとする人間的な活動である。)フィリップ・コトラー"

 すなわち、ニーズとは、抽象的欲求で、人間の生活に必要なある充足状態が不足している状態です。ウォンツとは、具体的欲求で、そのニーズを満たす特定のモノが欲しいという欲望です。例えば、ニーズは「綺麗になりたい」であり、ウォンツは「ファンデーションがほしい」となります。「他社で〇〇が売れている。〇〇にはニーズがある。」と聞くことがあります。〇〇が具体的なモノであり、これはニーズではなく、ウォンツです。ニーズはなぜそれが欲しいかを突き止める必要があります。なぜの先にニーズが見えてきます。

 なお、近年、ニーズとは必要に迫られて買う動機であり、ウォンツとは欲しくてたまらなくて買うという動機という解釈も浸透しつつあります。

 他に、「シーズ(seeds)」という言葉も良く聞きます。ニーズが消費者の求めている必要なモノに対して、シーズは企業や大学などが持っている特別な技術・材料・サービスを指します。例えば、ニーズは「綺麗になりたい」であり、シーズは「球状粉体技術」となります。球状粉体技術を光学的に毛穴の存在を目立たなくするファンデーションを製品化することになります。
 また、消費者が求めている機能を追加したり、問題を解決するような製品を開発することを「ニーズ志向」、技術的に可能であるということから新しいアイデアを得て、新規の製品を開発することを「シーズ志向」と呼んでいます。

 最後に、企業においては、ニーズの把握とシーズの開発の両方を行うとともに、ウォンツを絶えず意識したマーケティングを展開していくことが大切です。